日本株暴落で利回りが上がった高配当株10選|急落後にチェックしたい銘柄を厳選

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2026年11月6日(金)、日本株が大きく崩れました。日経平均株価の終値は57,434.77円で、前日からの下げ幅は3,643.13円(−5.96%)。円建ての下げ幅としては歴代3位の大きさで、取引時間中には一時4,332円安まで売られました(出典:ロイター・NHK等の報道)。米中間選挙の結果を受けたAI・データセンター政策への警戒から、前夜の米国市場で半導体株が急落した流れが東京にも波及した形です。

こういう暴落の日にこそ、見ておきたいのが配当利回りです。配当予想が変わらなければ、株価が下がった分だけ利回りは機械的に上がります。この記事では、11月6日の急落で実際に株価が下がり、利回りが上昇した高配当株の中から、配当の実績と株主還元の方針を重視して10社を厳選しました。慌てて飛びつくためのリストではなく、「仕込みどきに検討したい候補」として、冷静にチェックするための特集です。

※株価・指標は2026年11月6日終値時点。配当は各社の会社予想ベースです。なお、選定した10社すべてについて、TOB・上場廃止・合併・配当変更などのコーポレートイベントがないことを確認済みです(2026年11月7日時点)。

🌱 この記事で分かること

  • 2026年11月6日の暴落で何が起きたか(日経平均の下げ幅と背景)
  • 暴落時に高配当株を見るときの考え方と、絶対に外せない注意点
  • 利回り3%以上・増配基調で厳選した10社の比較表とランキング
  • 各社の選定理由と注意点、次の決算発表日
目次

1. 暴落時に高配当株を見る理由と注意点

暴落時に高配当株に注目が集まる理由はシンプルです。配当金は株価が下がっても(会社が予想を変えない限り)そのままなので、同じ配当を、より安い価格で買える状態になります。たとえば今回の10社では、前日は利回り3%未満だった関西電力・武田薬品・ブリヂストン・三井物産が、急落によって3%台に乗せました。業績や配当方針が変わっていないのに市場全体の売りで下がった銘柄は、利回りの面で相対的に魅力が増します。

ただし、注意点も同じくらい大切です。暴落時の高配当株には、次の3つの落とし穴があります。

  • 落ちるナイフのリスク:暴落の途中で買うと、さらに下がることがあります。底値を当てにいくのではなく、買うとしても少額ずつ・時間分散が基本です。
  • 減配リスク:利回りの上昇が「市場が減配を織り込んでいる」サインの場合があります。会社が配当予想を据え置いているか、増配を示しているかを必ず確認してください。
  • 業績悪化が理由の下落は別物:市場全体につられて下がったのか、その会社固有の悪材料で下がったのかは、まったく意味が違います。たとえばJT(2914)は11月6日にストップ安(−19.31%)となりましたが、これはロシアが同社のロシア子会社を一時的な外部管理下に置いたという会社固有の要因です。配当予想は据え置かれ利回りは4.34%ありますが、事業の先行きが不透明なため、今回のランキングからは外しました。

さらに今は中間決算の発表が集中する時期です。11月中旬の決算で配当予想や業績予想が修正されれば、前提は変わります。各社の次の決算発表日もあわせて確認しながら読んでください。

2. 選定の基準

  • 2026年11月6日終値で予想配当利回り3%以上であること
  • 11月5日終値→11月6日終値で実際に株価が下落し、利回りが上昇したこと
  • 配当予想が据え置き以上で、増配基調・連続増配・累進配当のいずれかが確認できること(減配予想の会社は除外)
  • 全社についてTOB・上場廃止・合併・配当変更などのイベントチェック済みであること
  • 業種が偏らないこと(不動産・金融・保険・資源・電力・製薬・製造・商社・サービスの9業種)

順位は、利回りの高さだけでなく、配当の実績・還元方針の明確さと、PER・PBRの割安度をあわせて判断しました。新規で取り上げる5社(パーソルHD・INPEX・武田薬品・ブリヂストン・三井物産)と、当ブログで以前取り上げた5社が半分ずつ入っています。

3. 10社比較表(2026年11月6日終値時点)

順位会社名(コード)株価11/6下落率予想配当利回りPERPBR連続増配・方針イベント
1位野村不動産HD(3231)890.1円−5.74%44円4.94%8.9倍0.93倍14期達成・今期15期目(予想)なし
2位三菱HCキャピタル(8593)1,301.5円−3.70%51円3.92%11.7倍0.93倍27期達成・今期28期目(予想)なし
3位パーソルHD(2181)285.3円−4.49%13円4.56%14.1倍2.87倍直近5期は毎年+10%以上増配なし
4位東京建物(8804)3,316円−7.19%126円3.80%10.6倍1.13倍10期達成・今期11期目(予想)なし
5位MS&AD(8725)4,930円−5.97%170円※13.45%16.8倍1.07倍5期連続増配(特別配当込み)なし
6位INPEX(1605)3,413円−4.64%112円3.28%7.8倍0.78倍累進配当(90円起点)なし
7位関西電力(9503)2,554.5円−5.88%80円3.13%9.2倍0.79倍2期連続増配・今期も増配予想なし
8位武田薬品工業(4502)6,560円−4.76%204円3.11%49.8倍※21.41倍3期達成・今期4期目(予想)なし
9位ブリヂストン(5108)4,105円−3.55%125円3.05%15.2倍1.35倍5期連続増配(分割調整後)株式分割実施済み(2026年1月)
10位三井物産(8031)4,620円−8.32%140円3.03%12.5倍1.45倍累進配当(140円下限)なし

※1 MS&ADの予想配当170円は、普通配当140円+特別配当30円の合計です。普通配当だけの利回りは約2.8%です。
※2 武田薬品のPERは、IFRSの当期利益が訴訟引当金などの一過性要因で圧縮されているため高く表示されています(Coreベースでは約36倍)。
※「連続増配」は実績で達成した期数を先に書き、今期予想分は「(予想)」と明記しています。

4. ランキング(10位→1位)

10位:三井物産(8031)― 10社で最大の下げ、大幅増配予想の商社

株価(11/6終値)4,620円(前日比−8.32%)予想配当年間140円
予想配当利回り3.03%(前日時点2.78%)PER/PBR12.5倍/1.45倍

選定理由:11月6日は−8.32%と、10社の中で最も大きく下げました。配当は前期115円から140円へ、25円の大幅な増配予想です。新しい中期経営計画では、2027〜2029年3月期の配当下限を140円とする累進配当の継続と、基礎営業キャッシュ・フローの50%水準を還元の目安とすることが示されています。11月4日の中間決算では通期予想の上方修正も発表されました。

注意点:資源価格や商品市況で利益が変動しやすい事業構造です。配当性向は前期39.5%でした。

9位:ブリヂストン(5108)― 分割で買いやすくなったタイヤ最大手

株価(11/6終値)4,105円(前日比−3.55%)予想配当年間125円
予想配当利回り3.05%(前日時点2.94%)PER/PBR15.2倍/1.35倍

選定理由:2026年1月の株式分割(1株→2株)後の調整ベースで、5期連続増配を達成しています(2025年12月期まで)。今期125円が実現すれば6期連続増配です。分割で投資単位が下がり、少額から買いやすくなった点も暴落局面では助かります。配当性向は前期46.7%でした。

注意点:業績連動色が強い会社で、2020年12月期には減配した実績があります。タイヤ需要・原材料価格・為替の影響を受けます。次の決算発表は11月12日(第3四半期)です。

8位:武田薬品工業(4502)― 累進配当を掲げる製薬大手

株価(11/6終値)6,560円(前日比−4.76%)予想配当年間204円
予想配当利回り3.11%(前日時点2.96%)PER/PBR49.8倍※/1.41倍

選定理由:配当は188円→196円→200円と3期連続増配を達成し、今期204円で4期連続増配を目指します。「毎年の配当を増額または維持する」という累進配当の方針を会社が明文化している点が評価できます。ディフェンシブな製薬大手で、暴落日も下げは−4.76%と比較的浅い部類でした。

注意点:IFRSの当期利益は訴訟引当金などの一過性要因で大きく振れるため、PER49.8倍はそのまま「割高」とは言い切れません(Coreベースでは約36倍)。配当の裏付けはCore利益の推移で見る必要があります。なお株主優待は2024年3月末で廃止されており、株主還元は配当に一本化されています。

7位:関西電力(9503)― 増配トレンドに転換した電力大手

株価(11/6終値)2,554.5円(前日比−5.88%)予想配当年間80円
予想配当利回り3.13%(前日時点2.95%)PER/PBR9.2倍/0.79倍

選定理由:長く50円で据え置かれていた配当が、60円→75円→80円(今期予想)と増配トレンドに転換しました(2期連続増配)。新しい還元方針では、連結配当性向25〜35%を目安に「配当の維持または増配に努める」とされています。前期の配当性向は22.0%と低く、PER9.2倍・PBR0.79倍の割安さも魅力です。当ブログの電力特集でも1位に選んだ会社です。

注意点:2027年3月期の会社予想は減益で、きんでん株の売却益(約1,050億円)という一過性の利益を含む数字です。燃料価格や原発の稼働状況が業績の前提になります。

6位:INPEX(1605)― PER7.8倍・PBR0.78倍の資源株

株価(11/6終値)3,413円(前日比−4.64%)予想配当年間112円
予想配当利回り3.28%(前日時点3.13%)PER/PBR7.8倍/0.78倍

選定理由:PER7.8倍・PBR0.78倍は10社の中で最も割安な部類です。配当は86円→100円→112円(今期予想)と増えていて、中期経営計画(2025〜2027年)では「1株当たり年間90円を起点とする累進配当」と「総還元性向50%以上」が明示されています。配当性向は約33%と、無理のない水準です。

注意点:原油・天然ガス価格と為替に業績が大きく左右されます。市況が崩れれば、配当の前提も変わり得ます。次の決算発表は11月12日(第3四半期)です。

5位:MS&ADインシュアランスグループHD(8725)― 普通配当が伸び続ける保険大手

株価(11/6終値)4,930円(前日比−5.97%)予想配当年間170円(普通140円+特別30円)
予想配当利回り3.45%(前日時点3.24%)PER/PBR16.8倍/1.07倍

選定理由:年間配当(特別配当込み)では5期連続増配が続いています。注目したいのは中身で、特別配当が45円→35円→30円と縮小する一方、普通配当は100円→125円→140円と着実に増えています。「本業の配当」が伸びている形です。株主還元はグループ修正利益の50%が目安とされています。

注意点:利回り3.45%のうち特別配当30円分は今後も続くとは限りません(普通配当だけでは約2.8%)。自然災害の発生状況で業績が振れる業種です。次の決算発表は11月19日(中間決算)です。

4位:東京建物(8804)― 10期連続増配の不動産

株価(11/6終値)3,316円(前日比−7.19%)予想配当年間126円
予想配当利回り3.80%(前日時点3.53%)PER/PBR10.6倍/1.13倍

選定理由:2025年12月期まで10期連続増配を達成し、今期126円が実現すれば11期連続増配です。前期の配当性向は37.1%で、中期経営計画では配当性向40%が目安とされています。2025年12月末の基準日からは株主優待も新設されました(200株以上を1年以上保有が対象)。当ブログの「毎年10%以上増配×低PBR」特集でも取り上げた会社です。

注意点:オフィス賃貸・分譲マンションの市況と金利動向が業績を左右します。次の決算発表は11月12日(第3四半期)です。

3位:パーソルHD(2181)― 毎年2桁増配が続く人材サービス

株価(11/6終値)285.3円(前日比−4.49%)予想配当年間13円
予想配当利回り4.56%(前日時点4.35%)PER/PBR14.1倍/2.87倍

選定理由:利回り4.56%は10社で2番目の高さです。当ブログが1株配当の実績を1年ずつ検証した調査では、直近5期は毎年10%以上の増配が続いていました(株式分割調整後)。今期も前期11.5円→13円(+13.0%)の増配予想で、増配の勢いが際立ちます。株価が小さいため、少額から始めやすい点も急落局面では実用的です。

注意点:PBR2.87倍と割安感は薄く、配当性向も高めです。人材市況は景気の変化に敏感なため、11月11日の中間決算で通期予想が維持されるかを確認したいところです。

2位:三菱HCキャピタル(8593)― 27期連続増配の実績

株価(11/6終値)1,301.5円(前日比−3.70%)予想配当年間51円
予想配当利回り3.92%(前日時点3.77%)PER/PBR11.7倍/0.93倍

選定理由:2026年3月期まで27期連続増配を達成した実績は、10社の中で随一です(当ブログで会社の開示と照合済み)。今期51円が実現すれば28期連続増配になります。利回り3.92%・PBR0.93倍に加え、2028年度までの中期経営計画では配当性向の目標を45%以上へ引き上げており、還元強化の姿勢が明確です。前期の配当性向は40.7%でした。

注意点:11月12日に中間決算を予定しています。51円の配当予想が維持されるかが次の確認ポイントです。金利上昇は資金調達コストの増加につながります。

1位:野村不動産HD(3231)― 利回り4.94%、上方修正と増配を同時発表

株価(11/6終値)890.1円(前日比−5.74%)予想配当年間44円
予想配当利回り4.94%(前日時点4.66%)PER/PBR8.9倍/0.93倍

選定理由:利回り4.94%は10社トップで、前日時点の4.66%から急落で一段と上昇しました。10月29日の中間決算では通期業績予想の上方修正とあわせて、年間配当を前期40円から44円へ引き上げる増配が発表されたばかりです。2026年3月期まで14期連続増配を達成しており、44円が実現すれば15期連続増配になります。還元方針は総還元性向40〜50%に加えてDOE(株主資本配当率)4%の下限があり、業績が振れても配当が下支えされやすい設計です。PER8.9倍・PBR0.93倍の割安さも含め、今回の総合評価で1位としました。

注意点:不動産市況と金利動向の影響を受ける業種です。分譲・賃貸の市況が悪化する局面では、業績と配当の前提が変わる可能性があります。前期の配当性向は43.8%でした。

※このランキングは公開情報に基づく当ブログの評価であり、売買の推奨ではありません。株価の変動により利回り・PER等の前提は変わります。

5. まとめ

2026年11月6日の暴落は、日経平均で歴代3位の下げ幅という大きなものでした。ただ、配当という視点で見ると、配当予想を変えていない会社の利回りは、その分だけ静かに上がっています。今回の10社を選ぶうえで筆者が重視したのは、次の3点です。

  1. 配当の「約束」が開示で確認できるか:連続増配の実績、累進配当、DOE下限や総還元性向といった還元方針が明示されているか
  2. 利回りの上昇が「株価が下がったから」だけか:配当予想そのものが据え置き・増配であること。減配の織り込みではないこと
  3. PER・PBRで割高になっていないか:急落後でも割高な銘柄は、戻りの局面で置いていかれやすい

そして姿勢として大切なのは、暴落の日に慌てて持ち株を売らないこと、そして一度に買い切らないことです。下げが続く可能性は常にあります。気になる会社があれば、まず11月中旬の決算で配当予想と業績予想が維持されるかを確認し、買う場合も少額・分割を基本にしてください。暴落は怖いものですが、長期の配当投資家にとっては「利回りの棚卸し」ができる数少ない機会でもあります。

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🌍 English Summary

10 Japanese High-Dividend Stocks to Watch After the November 6 Market Plunge

  • The Nikkei 225 fell 3,643.13 yen (−5.96%) on November 6, 2026 — the third-largest one-day yen drop on record — which mechanically lifted dividend yields across the market.
  • Our 10 picks, ranked (forecast yield at the November 6 close): Nomura Real Estate Holdings (3231, 4.94%), Mitsubishi HC Capital (8593, 3.92%), Persol Holdings (2181, 4.56%), Tokyo Tatemono (8804, 3.80%), MS&AD Insurance Group Holdings (8725, 3.45%), INPEX (1605, 3.28%), Kansai Electric Power (9503, 3.13%), Takeda Pharmaceutical (4502, 3.11%), Bridgestone (5108, 3.05%) and Mitsui & Co. (8031, 3.03%).
  • Each company was screened for a forecast yield above 3%, an actual share-price drop on November 6, a stable or rising dividend, and no live takeover or delisting events. JT (2914) was excluded despite a 4.34% yield, because its limit-down plunge was driven by a company-specific event involving its Russian subsidiaries.

Not investment advice.

各社の決算短信・IR資料・適時開示、Yahoo!ファイナンス、マネックス証券「銘柄スカウター」、株予報Pro、株探、ロイター・NHK・日本テレビ・時事通信ほかの報道(2026年11月7日調査)。株価・指標は2026年11月6日終値時点のデータに基づきます。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。配当予想は各社の会社予想であり、将来の配当を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

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この記事を書いた人

2児のパパの会社員で個人投資家のつばさです。
毎月20万ほどインデックス投資信託の積立投資を続けています。
生活をちょこっとよくするための情報を発信しています。

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