🌱 この記事で分かること
- ソフトバンク(9434)がどんな会社か(ソフトバンクグループ9984とは別会社です)
- 2026年3月期の売上高7兆387億円・純利益5,508億円と、2027年3月期の見通し
- 上場以来減配なしの配当(2027年3月期予想8.80円)と、PayPayの株主優待
- 予想配当利回り約3.8%の水準と、自分の保有株数に換算した配当額
- 10年(取得できた2019年3月期〜2026年3月期)で見る業績・配当の推移
日本の高配当株の中から、長期保有の候補を1社ずつ掘り下げるシリーズ。今回は通信大手のソフトバンク株式会社(証券コード:9434)です。携帯電話の「ソフトバンク」や「ワイモバイル」「LINEMO」を手がける会社で、東証プライムに上場しています。名前が似ているソフトバンクグループ(9984)は親会社側の投資会社で、別の銘柄です。配当も優待も、この9434の話として読んでください。
どんな会社?
ソフトバンクの事業は、個人向けの通信サービス(コンシューマ事業)が中心で、法人向けの通信・ITサービス(エンタープライズ事業)、LINEヤフーを含むメディア・EC事業、PayPayを軸とする金融事業、端末などのディストリビューション事業へ広がっています。2026年3月末時点の連結従業員数は58,432人です。2018年12月に上場し、2024年10月には1株→10株の株式分割を行ったため、100株の購入資金は2万円台になりました。
配当は年2回で、中間配当が4.40円、期末配当が4.40円の予想です。権利確定は中間が9月末、期末が3月末です。
業績は増収増益、2027年3月期も増収増益の予想
2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の連結業績は、売上高が7兆387億円(前期比+7.6%)、営業利益が1兆426億円(同+5.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,508億円(同+4.7%)でした。売上高も利益も前期を上回る、堅い決算です。
2027年3月期の会社予想(2026年8月4日の第1四半期決算時点で据え置き)は、売上高7兆5,000億円(前期比+6.6%)、営業利益1兆1,000億円(同+5.5%)、純利益5,600億円(同+1.7%)です。第1四半期(2026年4月〜6月)は、売上高1兆8,147億円(前年同期比+9.4%)、営業利益3,023億円(同+4.0%)、純利益1,501億円(同+3.3%)と、期初から増収増益でスタートしています。2026年11月9日に予定されている中間決算で、通期予想と配当予想が維持されるかがチェックポイントになります。
10年で見る業績・配当の推移
ソフトバンクは2018年12月に上場したため、IR BANKで取得できる上場後の通期データは2019年3月期からの8期分です。10年分ではありませんが、取得できた範囲で推移を見ます(以下、配当とEPSは2024年10月の1株→10株分割を調整した後の水準です)。


グラフ1を見ると、売上高は2019年3月期の4兆6,568億円から2026年3月期の7兆387億円へ、約1.5倍に拡大しています。純利益も4,625億円から5,508億円へ増えましたが、2024年3月期だけ5,314億円から4,891億円へいったん減少しています。グラフ2では、1株配当が2019年3月期の3.75円から2020年3月期に8.50円へ上がっていますが、これは増配ではなく、2019年3月期が上場直後で期末配当のみだったための見かけの段差です。その後、2021年3月期から2026年3月期まで6期連続で8.60円が維持され、2027年3月期は8.80円の予想です。つまりこの銘柄の配当の特徴は「増え続ける」ではなく「減らさずに維持し、今回ようやく少し上げる」という安定型です。
PERは、IR BANKの各年度の高値・安値ベースで見ると、2019年3月期以降おおむね11倍台〜21倍台のレンジで動いてきました。現在の約20.2倍は、そのレンジの中では高めの位置です。PBRは、2020年3月期に7倍台まで上がった時期を除けばおおむね3倍〜4.7倍のレンジで、現在の約3.9倍は中ほどの水準です。評価としては、売上は着実に伸び、コロナ期を含めて配当を減らさなかった安定感が強みですが、配当そのものの伸びはここまで小さく、株価指標に割安感はありません。2027年3月期の8.80円が、安定から再び増配への転換点になるかどうかが、今後の見どころです。断定的な売買推奨ではなく、事実の整理として読んでください。
株主還元の方針は「利益成長に合わせた継続的な増配」
ソフトバンクは、2026年5月に公表した新中期経営計画で、利益の成長に合わせた継続的な増配を目指す方針を掲げています。2027年3月期の年間配当予想8.80円は、2026年3月期の8.60円から0.20円の増配で、配当性向の予想は76.2%です。配当性向が高めなのは、この銘柄を見るうえで押さえておきたい点です。利益が伸びれば配当の余地が生まれますが、利益が横ばいや減益になれば、増配のペースは鈍りやすくなります。
株主優待はPayPayマネーライト1,000円分(申請が必要)

ソフトバンクの株主優待は、普通株式を100株以上・1年以上保有した株主に、PayPayマネーライト1,000円分を年1回進呈する制度です。保有株数が増えても進呈額は一律1,000円分で、自動では届かず、株主優待サイトでの申請とPayPayアカウントの連携が必要です。基準日は3月31日か9月30日で、そこから1年間の継続保有が条件になります。社債型種類株式(94345・94346)は優待の対象外で、ソフトバンクグループ(9984)を持っていてもこの優待は受けられません。
100株保有の場合の試算です。年間配当880円(予想)に優待1,000円分を加えると、1,880円相当になります。投資額23,330円(株価233.3円×100株)に対する割合は約8.1%ですが、これは100株限定・優待の条件を満たし申請した場合の試算で、500株・1,000株では優待額が変わらないため割合は下がります。
株価の推移と今の水準
2026年11月4日時点の株価は233.3円で、52週レンジは202.6円〜252.9円です。2027年3月期の予想配当8.80円から計算した予想配当利回りは約3.8%、PERは約20.2倍、PBRは約3.9倍が目安です。利回りは3%をしっかり上回りますが、PER・PBRに割安感はありません。
ここからは、予想1株配当8.80円を使って、自分の保有株数に換算してみましょう。金額はすべて税引前で、予想どおり配当が出た場合の試算です。
| 保有株数 | 年間受取配当額(税引前) |
|---|---|
| 100株(投資額 約23,330円) | 約880円 |
| 500株 | 約4,400円 |
| 1,000株 | 約8,800円 |
次に、目標とする利回りごとに、株価がどの水準ならその利回りになるかを換算した表です。あくまで換算の提示で、「この価格で買うべき」という意味ではありません。
| 目標利回り | その利回りになる株価(8.80円÷利回り) |
|---|---|
| 3.5% | 約251円 |
| 4.0% | 約220円 |
| 4.5% | 約196円 |
現在の株価233.3円は、利回り約3.8%の水準で、上の表では3.5%と4.0%の間にあります。株価が下がれば利回りは上がり、株価が上がれば利回りは下がる、という関係だけ押さえておくと、ニュースで株価を見たときに自分なりの目安が持ちやすくなります。
長期保有におすすめな理由
理由は3つあります。第一に、100株で約2.3万円から始めやすく、配当と優待の両方を受け取れる設計であること。第二に、上場以来減配がなく、8.60円を6期維持したうえで2027年3月期に8.80円への増配が予想されている安定感。第三に、通信だけでなくLINEヤフーやPayPayなどへ事業が広がり、一つの事業だけに業績が左右されにくいことです。
⚠️ 注意点:配当性向の予想が76.2%と高めで、利益の伸びが止まると増配の余地は小さくなります。PER約20.2倍・PBR約3.9倍と、指標面では割安とは言えません。通信料金の競争やAI関連の投資負担も業績に影響します。優待は申請を忘れると受け取れないため、条件と申請期日の確認が必要です。2026年11月9日の中間決算で、通期予想と配当予想が維持されるかを確認しながら、時間を分散して積み増す付き合い方が合う銘柄だと思います。
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🇬🇧 English Summary
SoftBank Corp. (TSE: 9434) — a major Japanese telecom operator, not to be confused with SoftBank Group (9984).
Expected dividend yield: ~3.8% (JPY 8.80 per share forecast for FY2027, at JPY 233.3 as of November 4, 2026). PER: ~20.2x. PBR: ~3.9x.
- FY2026 revenue was JPY 7,038.7 billion and net income JPY 550.8 billion; FY2027 forecasts point to further growth.
- The dividend was held at JPY 8.60 for six years and is forecast to rise to JPY 8.80, with no dividend cut since listing in December 2018.
- Shareholder benefit: JPY 1,000 of PayPay Money Lite for holders of 100+ shares for 1+ year (application required).
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価・指標は2026年11月4日時点、業績・配当は会社発表資料に基づきます。投資判断はご自身の責任でお願いします。
出典:ソフトバンク 2026年3月期決算短信〔IFRS〕(2026年5月11日)、2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月4日)、株主優待・株主特典イベント(ソフトバンク公式サイト)、新中期経営計画(2026年5月)/IR BANK(irbank.net、9434ページ、2026年11月4日閲覧)/市場データ(9434.T、2026年11月4日終値)

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